税金
確定申告・課税対象・控除
会社に勤めていてもアメリカでは確定申告が必要。課税対象になる所得、申告で控除できる項目などについても知っておきたい。

■アメリカでの確定申告

日本では会社が年末調整で年間の総税額を見直し源泉徴収で調整を行うため、ほとんどの給与所得者は自分で確定申告をする必要がないの対し、アメリカでは給与所得者、自家営業者、投資所得のあった人など収入があれば原則として確定申告書を作成し、連邦(Internal Revenue Service)と州の税務当局の両方に毎年申告期日(4月15日)までに提出する必要がある。

 2017年12月トランプ大統領によって署名され法制化された米国税制改革法案(The Tax Cuts and Jobs Act)は、1986年のレーガン政権下における税制改正以来の大幅な改定となり、新税制は個人所得税率の引下げ、パススルー所得に対する減税、標準控除の倍増、人的控除の廃止、Child Tax Creditの増額、また遺産税及び贈与税基礎控除額の引上げなどが主な改革で、改正事項の多くは2025年12月31日までの時限立法となる。

 また外国金融資産の報告義務が厳しくなっているため、Form 8938(FACTA外国口座税務コンプライアンス法)は確定申告書と共に作成、提出し、Form 114(FBAR外国銀行口座開示書)は別途財務省に提出することを忘れないように。

確定申告の仕組み
 確定申告書の提出期日4月15日に申告書作成が間に合わない場合は10月15日まで延長が認められる。アメリカでは、支払者(雇用主や銀行など)に対し所得報告が義務づけられており、所得受取人と税務当局へ通知することになっている。例えば、給与所得はForm W-2(源泉徴収票)を通じて雇用者から納税者と税務当局へ報告、利子所得、配当所得、キャピタル・ゲイン等についてはForm 1099が銀行や証券会社から受取人と税務当局へ送付される。

 確定申告に関連する書類等は毎年1月末日から2月中旬に発行され、それを基に税務当局は支払者からの報告内容と所得受取人(納税者)の申告内容とを照合する。基本的な申告方法は右記の通り。

■ 税法上でのステータスの確認
 納税者が居住者(Resident)と非居住者(Non Resident)かを区別

■ 申告ステータスの種類
 独身(Single)、夫婦合算申告(Married Filing Jointly)、夫婦個別申告(Married Filing Separately)、特定世帯主(Head of Household)、扶養する子どもを持った寡夫(婦)(Qualifying Widow(er) with dependent child)

■ 課税される所得の確認
所得の例
*居住者は全世界所得、非居住者は米国内で得た所得のみが対象

・給与所得(Wage)
・利子所得(Interest Income)
・配当所得(Dividend Income)
・株式売却益等のキャピタルゲイン(Capital Gain from Sale of Stocks)
・年金所得(Social Security Benefit)
・不動産売却益(Gain from Sale of Property)
・不動産賃貸所得(Rental Income)
・ギャンブル所得(Gambling Winnings)

■ 控除される項目の検討
主な項目別控除(Itemized Deduction)の例 
*居住者は全世界ベースで発生した経費、非居住者は米国内で発生した経費のみ対象
・医療費(Medical Expenses)
・州または地方所得税(State or Local Income Taxes)と固定資産税(Personal Property Taxes)
合計額1万ドルまで。
・住宅ローンの支払利息(Mortgage Interest)
2018年からHome Equity Loanは控除対象外
・寄付金(Charitable Contributions)
・災害損失(Casualty and Theft Loss)

 通年居住者の場合、これらの項目別控除合計額か標準控除額(Standard Deduction)のいずれか大きい方を控除できる。2018度のStandard Deductionは独身(Single)の場合は12,000ドル(2019年度は12,200ドル)、夫婦合算申告(Married Filing Joint)の場合は24,000ドル(2019年度は24,400ドル)。税金は、課税対象の所得合計から、項目別控除合計額か標準控除額を差し引いた金額に対して課せられる。金額によって課税率は変わり、連邦税は2018年度は10%から37%の間(2018年度は10%から37%)カリフォルニア州税は2018年度1%から12.3%の間で区分けされる。

 IRSは3年、FTBは4年さかのぼって不足額の発見に対して修正や支払い命令ができるので、確定申告書のコピーと関連書類は4年から5年間は大切に手元に保管しておこう。

IRSを装った詐欺に注意
 IRS(内国歳入庁)の職員を装った電話詐欺が急増しており、移民納税者に国外退去という言葉で脅す例が相次いでいる。IRSからの支払督促は文書(郵便)で行われるため、いかなる場合でもIRSから電話やEメールでの問い合わせは行われない。もし連絡を受けた(被害にあった)場合には,米国財務省税務管理監査官(TIGAT: Treasury Inspector General for
Tax Administration,(800-366-4484)へ通報すること。

情報提供:蟹池美樹子, Certified Public Accountant
Ronald T. Uchishiba


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