週刊ベイスポ2007年2月16日発行号掲載 - 907

今週の人:
浦本 道子(うらもと・みちこ)さん

 ベイエリアに住んで18年になる浦本さん。シリコンバレーの進化の早さに戸惑うこともあると言うが、ウェブディベロッパーとしての知識を着実に広げながらキャリアを築いている。現在はご両親と、昨年結婚したご主人との4人で幸せに暮らす浦本さんにベイエリアでの暮らしぶりを聞いた。
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●ベイエリアに住むことになったきっかけは?

 日本で大学を卒業した後、1988年に語学留学のためモントレーへ来ました。学校での最初の学期もまだ終わらない頃に交通事故に遭いまして、それから車椅子を使うようになりました。そこで、日本へ帰るか、アメリカに残るかのチョイスがあったのですが、アメリカに残ることにしました。なぜかというと、日本よりアメリカの方が身障者への環境が整っていて、偏見もより少ないと感じたからです。

●ウェブディペロッパーとして働くことになったきっかけは?

 まずは5年程、デ・アンザ・カレッジでセラピーを受けながらP.E.(体育)を学びました。その後、病院関係の知り合いから、パロアルトのベテランズホスピタルのリサーチセンターでDTPの技術を教えるプログラムの実験台、つまり教えられる側として参加しないか、という話があり、そこで実験台となってこのDTPを学ぶことができました。それがきっかけで今の道に入ったということになります。そのプログラム終了後、また次のお話があり、今度はスタンフォードホスピタルの放射線センターという放射線の器具を開発している研究所で、社内新聞などを作成するインターンを経験することになりました。その後、プログラムの先生のつてで入った会社でウェブサイトを担当していましたが、その会社は倒産してしまったんです!しかも、その後入った会社も倒産してしまうという事態に・・・。ちょうどITバブルがはじけた頃だったので、新鋭だった沢山の企業が潰れていき、自分もシリコンバレーでそれを身をもって経験したことになります。でも人からの紹介で色々な経験をしたり学んだりする機会を持ち、仕事が軌道にのっていったことは本当にラッキーだと思っています。
 2つ目の会社が倒産した後は、インターネットテクノロジーを勉強するためにフットヒルカレッジに行き、ウェブ・プログラミングの専攻で卒業しました。日本では大学を出ていますが、こちらではまだ終えていなかったんです。
 卒業後にオラクル社のウェブ・ディベロップメント・チームに入り、ウェブページの作成や編集などの担当をしました。オラクルでの契約を終え、現在はAerisというワイヤレスネットワークの会社でウェブサイトを担当しています。

●ベイエリアの印象は?

 シリコンバレーというこの土地で働いていて感じることは、ペースが早いということです。技術は常に進歩し続けていますし、いつも急いでいるような気がします。

●社内に他に日本人はいますか?

 日本人は私一人です。時々、自分の言いたいことがうまく伝わらなかったり、相手の細かい表現を勘違いして受け取ったりすることもあって、英語で仕事をするということはやはり大変です。

●留学経験は?

 日本での大学在学中に交換留学として1年間、ニューヨークのシラキュース大学で英語の勉強をしました。それはそれはもう楽しかったですね。仲良しの友達も一緒に行ったのですが、完全に遊学でした(笑)。学校の寮に住んでいたのですが、アメリカ人のルームメイトにも色々なところに連れ出してもらったり、フロリダにも旅行に行きました。とにかく人生で一番楽しかった時期だったんじゃないでしょうか。

●英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に就いていたと思いますか?

 きっと同じような仕事をやっていたかもしれませんが、私の場合、英語がというよりも、車椅子でなかったらやってみたい職業というのはあります。動物が大好きなので、動物園の飼育係です!

●ご家族は?

 私がアメリカに住むことを決めてすぐに母がこちらへ来て一緒に住むようになりました。父だけが日本で働いて私達に仕送りをしてくれたのですが、2年前から父もグリーンカードをとってアメリカにやって来て一緒に住んでいます。それと、私、1年前に結婚というようなものをいたしまして(笑)。なんだか恥ずかしいですね。今は、サザエさんのマスオさんのような形で、主人も一緒に住んでいます。あとは、犬一匹と猫一匹も一緒に暮らしています。犬の方が後からやってきたので、猫の方が立場が上なんです(笑)。犬はソファの好きな場所によく座っているのですが、猫がそこにいる時には何も言えずただ黙って見ているだけ・・・。

●現在、住んでいる家は?

 サンタクララで、3ベッドルーム2バスです。

●乗っている車は?

 車椅子のまま運転席に入れる専用のバンを持っています。ハンドルも私が使いやすいようになっていますが、今はまだ練習中です。

●休日の過ごし方は?

 普段は仕事で疲れますので、休日はダラダラとしていることも多いですね(笑)。あとは日本のビデオを借りてきて観たり。明石家さんまが大好きなので、「からくりテレビ」や「さんま御殿」はよく観ます。日曜日は教会に行きます。事故の後、プロテスタントの洗礼を受けまして、サンタクララバレー日系キリスト教会に通っています。日本人のとても良い牧師様がいて色々と力になっていただいています。通っている方は、日系の方や、永住されている方の他に、駐在の方もけっこう多いんですよ。教会のヤングアダルトという会に所属していまして、月に一度、聖書を学ぶ集まりにも出席しています。

●お気に入りのレストランは?

 マウンテンビューの「波浪」です。シェフが工夫したおつまみが多く、中でも豚の角煮は格別です!

●よく利用する日本食レストランは?

 ラーメン晴、Tantoなどによく行きます。

●現在のベイエリアの生活で不便を感じるときは?

 夜にお店が早く閉まってしまうことでしょうか。

●ベイエリアの生活で不安に感じることは?

 これは日本でもそうかも知れませんが、テクノロジーの進歩が早すぎるところです。ソフトなど次々と新しい物が出るので、ついていくのに必死です。マラソンでフーフー言いながら走っているような感じ(笑)。今は、小さい子供でもものすごく技術に詳しくて、やはり吸収のスピードが全然違うと感じますね。だんだん年いくごとに、自分がついていけるのか不安になります。私の周りでは、医療関係やアカウンティングの分野にキャリアチェンジしていく人も多いですよ。ただ、新しいことを常に学ぶことになるので、エキサイティングではあります。学ばざるを得ないという状況に身を置くといやでも知識が広がっていきますから、そういう面では良いですね。

●生まれて初めてなりたいと思った職業は?

 歌手とか、あとは個性派女優にもなりたかったことがあります。高校時代には演劇部に入っていましたし、少しだけですが劇団に所属していたこともあります。

●日本に戻る頻度は?

 18年間で2度帰りました。

●最近、日本に戻って驚いたことは?

 故郷の駅は小田急線の鶴川なんですが、そこにロッテリアが出来ていたこと!

●日本に郷愁を感じるときは?

 レコード大賞とか紅白歌合戦などを見たとき。なつメロを聞いたりすると、やっぱり日本はいいなぁと思いますね。

●一億円当たったとしたらその使い道は?

 一部を教会に寄付して、残りで世界中の動物園めぐりをしたいです(笑)。動物園は大好きです。有名なサンディエゴ動物園はやはり大きくて素晴らしかったですし、サンフランシスコの動物園も良かったです。

●お薦めの観光地は?

 フロリダのキーウエストです。暖かくて開放的な雰囲気で、人々も気さくなところがいいですね。

●永住したい都市は?

 ハワイですね!ハワイのビーチによくのんびりチェスをしている老人がいますよね。あれが私の夢なんです(笑)!
■プロフィール■
浦本 道子
うらもと・みちこ
東京都町田市出身。1988年に留学のため渡米。インターンをきっかけにウェブ制作の道へ入り、フットヒルカレッジでウェブ・プログラミングを専攻。オラクル社などでの勤務を経て、現在はaeris社でウェブサイトの制作・編集を担当。最近の趣味はミュージカル観賞。

ホノルル動物園でラマと。目がかわいいんです。

女らしくなりたくてやっていた茶道。

ニューヨークに留学した時に足をのばしたフロリダで。
●最も印象に残っている本は?
 子供の頃に読んだ江戸川乱歩の「時計塔の秘密」です。秘密が深くて、すごくワクワクして読みました。

●最も印象に残っている映画は?
 一番最初に出たスターウォーズです!劇場には10回ほど通いました。最近出たのもまぁまぁ良いですが、最初のエピソード4にはもっとハマりましたね。子供だったからでしょうか。

●頻繁に利用するウェブサイトは?
 www.amazon.comで、本やCDのユーザーレビューを観るのが好きです。最近、CDのレビューでミュージカル「レ・ミゼラブル」が高い評価を受けているのを観て、自分も実際に購入したのですが、これでミュージカルにハマりました。ミュージカルって音楽だけでもこんなに素晴らしいのか!と思いましたね。音楽を何度も聞いてから実際に観に行った時は、ものすごく楽しめました。今、「レ・ミゼラブル」のCDは、ロンドン版、日本版、ブロードウェイ版など色々なバージョンを持っています。オリジナルはロンドン版ですが、それを改良したブロードウェイ版はテンポなども、より洗練されていてすごく好きです。次に観に行きたいのは、サンノゼに来た時に見逃してしまった「ミス・サイゴン」です。

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